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笹瀬 雅人; 岡安 悟; 倉田 博基; 北條 喜一
Physica C, 357-360(Part.1), p.497 - 500, 2001/09
酸化物高温超伝導体に導入された円柱状欠陥は、磁束のピン止め点として有効に作用し、実用化にあたり重要な特性である臨界電流密度の向上を促すことが報告されている。われわれは、最適サイズの円柱状欠陥を導入できる照射条件を求めるために、円柱状欠陥の形状及び微細構造を電顕観察し、イオンの照射条件(エネルギー損失量Se,速度)と円柱状欠陥形状との関係を検討した。その結果、Seを求めることでイオン照射欠陥の形状を実験的にほぼ制御可能であることを証明した。しかし照射イオンの速度依存性を調べた結果、=2.010cm/sec以上では、速度の増加とともに円柱状欠陥の大きさが増大するが、=2.010cm/sec以上では、速度に限らす円柱状欠陥の大きさはほぼ一定であることが示された。すなわち円柱状欠陥の形成には、従来から言われているSeだけでは十分に説明できない、いくつかの複雑な要因が関与している。